労働組合の中には、「連合」のように労働者の権益を守り、労働条件の改善を求めるために活動する組織もありますが、一方で「御用組合」と呼ばれる存在もあります。以下に、「御用組合」の存在理由をいくつか説明します。
1. 国家または政府の利益のための協力：
御用組合は、政府や経営者の政策や方針を支持し、労働者を政府の施策に合わせて運動させることが目的です。政府や経営者は、労働者の組織体である労働組合を利用し、労働者の抵抗を和らげることで政策の推進や労使関係の改善を図ることがあります。
2. 社会秩序の維持：
御用組合は、労働者の声を抑えることで社会秩序を維持しようとする意図があります。政府や企業側にとって、労働者の組織が強力であることは社会的な不安定要因となる場合もあります。このため、御用組合は組織化された労働力を管理し、集団的な抗議やストライキを防ぐことで、社会的混乱を避ける役割を果たすことがあります。
3. 特権の維持：
御用組合は、特定の利益グループやエリート集団の特権を守るために存在する場合もあります。政治的権力や経済的利益を持つ一部の人々が御用組合を介して組織化され、自らの特権を維持しようとすることがあります。
4. 権力の確保と利益追求：
御用組合は、経営者や政府との癒着関係を持つことで自身の権力や利益を確保しようとする動機が存在します。政治的立場や経済的利益を追求することが主眼となり、労働者の権益や福利厚生には二の次とするケースもあります。
以上のような理由から、労働組合の中には「連合」とは異なる方向性を持つ「御用組合」が存在することがありますが、これらは全ての労働組合のあり方を示すものではありません。
