ゲーデルの前提とは、数学者・論理学者のクルト・ゲーデルが神の存在を証明しようとした際に用いた形而上学的な前提のことです。ゲーデルは、ライプニッツの主張に基づいて、神とは「すべての完全性を持つ存在」と定義し、そのような存在が必然的に存在することを様相論理で示そうとしました。ゲーデルの前提は以下の5つです。
1. 完全性は正属性である。
2. 正属性を持つことは正属性である。
3. ある正属性が可能性領域内で実現されるならば、それは必然的に実現される。
4. 存在することは正属性である。
5. すべての正属性を持つ存在(神)が可能性領域内に存在する。
これらの前提から、ゲーデルは神が必然的に存在することを導き出そうとしましたが、その証明は生前に公表されませんでした。また、ゲーデルの前提や証明に対しては様々な批判や反論があります。