日本の非正規労働者が全就業者の３割以上を占めるという事実は、賃上げの効果に影響を与える可能性があります。非正規労働者の賃金は、正社員よりも低く、春闘や政府・経団連による賃上げ要請の波及効果も限定的です。物価高に対して賃金が追いつかないという状況は、非正規労働者の生活を苦しめています。
一方で、非正規労働者の賃上げを求める動きも出てきています。個人加盟型のユニオンが「非正規春闘」というキャンペーンを展開し、一律10％の賃上げを要求しています。また、政府は最低賃金を現在の平均961円から1000円に引き上げたい考えを示しており、中小企業や非正規労働者にも賃上げ環境整備を進めたいとしています。
しかし、これらの動きが実際に非正規労働者全体の賃金水準を引き上げるかどうかは不透明です。価格転嫁や成長産業への労働移動など、持続的な賃金上昇に必要な仕組み作りが課題となっています。
